大人の恋愛~背徳の行方~
この一週間、螢は、理に言われたことを、真剣に考えた。

たとえ不本意とはいえ、子供が出来、結婚した。

子供が生まれてみて、本当に、家族という、責任が追い被さったのも
実感した。

父親としての責任・・・・これは何よりも大きかった。

たとえ自分の心は、梨桜を求めていても、梨桜をこれ以上、縛るわけには
行かない。

梨桜が言った、「真紀には、出産が許され、梨桜には許されない」
この言葉は、正直、きつかった。

多分子供に関しては、女性の方が敏感なんだと、その時初めて知った・・・・

螢は、梨桜を本当に愛している・・・

梨桜は、誰よりも、自分にとっての宝物だ。

しかし、その宝物の、大切な時間を、自分が奪って良いのか・・・・考えた。

これから付き合っていくうえで、梨桜がもし、別れて欲しいと言われたら
その時は、梨桜の幸せを、陰ながら祈ることにしよう・・・

螢は、自分の不甲斐無さを、反省し、大切な梨桜の幸せを、祈れるような
男になろうと、決心したのだ。
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