大人の恋愛~背徳の行方~
その夜、螢は、梨桜と一緒に、イタリアンレストランへ食事に行き、

「「かんぱーい」」

二人が、ワイングラスを傾け、乾杯をすると、

「梨桜、やっと会えたね・・・・・」

「うん、螢、会いたかったよ・・・・」

二人は、再会を喜びながら、運ばれてくる料理に、舌鼓を打ち、

最後のデザートと、コーヒーが出されると、螢が、突然、

「梨桜、結婚して欲しい・・・ずっと俺の側に居てくれないか?」

「・・・・・・・螢・・・・・・・」

梨桜は、まさかここでプロポーズを受けるとは思わず、
螢からの突然のプロポーズで、感動のあまり、ポロポロと涙を零した。

涙を零しながら、梨桜は、

「はい、喜んで・・・螢の側に居させてください」

そう答えると、螢が、スーツのポケットから、指輪を出して、

梨桜の左手の薬指に、指輪を嵌めると、いつの間にか
回りの客から、拍手と歓声が沸き起こった・・・・

パチパチパチ・・・・・

『よかったなぁー・・おめでとう』『いやぁー、よかったねぇー』

各テーブルから、お祝いの言葉を貰い、螢も梨桜も、驚いた。

二人は、照れながらも、お祝いの言葉をくれた周りの人々に、
お礼を言った・・・・・

実は、螢のプロポーズを、周りのテーブルの人達は、固唾を呑んで
見守っていたのだ。

回りの人達から見ても、螢の顔に緊張が走っていることが、解って
様子を窺っていた・・・・・

帰りに、お店からも、お祝いにと、お土産にクッキーまで頂いて、

「なんか・・・・良かったな!!」

「うん、 螢、ありがとう・・・」

記念すべき、幸せな夜だった。
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