大人の恋愛~背徳の行方~
タクシーが止まり、ドアが開き、タクシーに乗り込むと、
誰かが一緒に乗って来た。

「螢!!! 何してんの?」

「運転手さん、出してください。梨桜、住所!」

「えっ・・・・・」

「運転手さんが困っているっでしょ!」

「あっ、すみません。〇〇〇区の〇〇町までお願いします。」

「梨桜、お前、熱があるだろう!」

「えっ、どうしてそれを・・・・・」

「見てればわかる・・・・・」

「だからって、螢が一緒にタクシーに乗ることないでしょ!!」

梨桜は、体調がすぐれないのに、螢の行動が解らず、余計に具合が
悪くなってきた・・・。

「いいから、近くに来たら起こすから、少し休め・・・」

螢に促されて、今の状態では、螢に反論も出来ないと観念し
梨桜を言われるがままに、目を閉じた。


********************

「梨桜・・・・梨桜・・・・・起きて・・・・どこに行けばいい?」

「う・・・うん・・・あっ、すみません。そこのコンビニを右に行って
 すぐのマンションですからそこで・・・・
 あっ、ここで・・・すみません。ありがとうございました。」

梨桜は、タクシー代を払おうとしたら、螢が、

「運転手さん、ありがとう。これで・・・・おつりは良いです」

そう言うと、梨桜を降ろし、自分も降りてきた。

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