学園アイドルRTD
『うん。
じゃ、楽しんで』

「はい」

『おやすみ』

「おやすみなさい」


大也にも…

智也君みたいな悲しみを与えることになるのかな…?
♪〜

「誰だろ」

今日はやけにたくさん着信が入るな…。

と、

思いながら、携帯を開くと、

“龍太郎”の表示。

どうしたんだろう…。

と、思いながらも、その表示を見ただけで、

無性に会いたくてたまらなくなった。


電話に出ようとした瞬間―…

トントン

「はい」

「美玲?」

「日向?」

「龍太郎さんが…」

バンッ

「龍太郎がどうしたの!?」
「熱が上がってきたみたい…」

「え…でも、さっき…」

「今、
先生達が帰すか相談してるんだけど…」

「どうしよう…」

「龍太郎さん…、美玲の名前だけ、ずっと呼んでるらしいの…」

「…何号室?」

「え?」

「龍太郎の部屋」

「103」

「ちょっと行ってくるね」
「う、うん」


走った…。

走って

走って

走って…。

とにかく、早く龍太郎のそばに行きたくて。

顔を、見たくて。

「ハァ…ハァ…」

103の前には、

たくさんの女子生徒が集まっていた。
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