学園アイドルRTD
そのピッチャーを前に、

私達の打線は、沈黙。

諦めムードが漂い始めたその時―

「あー腹へったー!!」

『え!?』

「なんかめちゃくちゃ腹へった。

早く終わらせて、笑って飯食いたいな〜」

大也が突然そう言い出した。

『…』

「俺達は…強い」

「大也さん?」

「ここを勝ち抜けば、あとは余裕で甲子園だ。

俺達の野球しようぜ」

「俺達の…野球」

「龍太郎!」

「は、はい!」

「いつもの元気はどうした!」

「…」

「吉っ!」

「おう」

「いつもの強気なピッチングはどこにいったんだよ!」

「…」

「まだ出せる。
俺達の実力はこんなもんじゃないよな?」

『お、おう!』

「行こうぜ。
例え負けたとしても、誰1人責めたりしない。

だから、

精一杯俺達の野球をしよう!」

『おう!』

「行くぞ!」

『おう!!』

大也の言葉で、

チームは勢いづいた。

キャプテンの力に驚いた私でした。

その後の攻撃で、

私達は2点を追加して、

見事勝利した。
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