学園アイドルRTD
「嘘だろ」

「え?」

「本当は、頭痛がひどくて、大変なんじゃね?」

「え…とー」

「今日は部活もねーし、送ってくから、帰れ」

「…あ!」

「何だよ!?」

「ベストカップルコンテストの打ち合わせ…」

「やっぱり美玲も選ばれたのか」

「圭君1人で、行かせちゃった。

それに、何も聞いてないし…。

龍太郎何か聞いてきた?」
「俺は、行けなかった」

「何で?」

「はぁ!?

俺はな、お前が心配で、離れられなかったんだよ!」
かぁぁぁぁぁっ

「な、何で美玲が照れてんだよ」

「り、龍太郎こそ顔真っ赤じゃん!」

「う、うるせぇ!

明日、圭に聞けよ」

「うん」

確かに、

龍太郎は、今までに見たことのないくらい、

顔が真っ赤だった。

「龍太郎」

「ん?」

「ごめんなさい」

「は?」

「それと…

ありがとう」

「お、おう」

龍太郎は、

とても、優しい。

「帰るぞ」

「うん」

そして…

「歩けるか?」

「少し、フラフラする…」
「俺に掴まって歩け。

体重預けていーから、

自転車置き場まで頑張れ」
「うん」

ドキ…

どうしようもなく、

男の子だ…。

と、

力の強さを感じて思った。
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