学園アイドルRTD
「あ、あの…」

し〜ん…

バッ

「えっ」

「美玲は、

まだ緊張がとけていないので、

代わりに俺が」

そう言って、

私から取ったマイクで、

琢磨が話し出した。


その間私は、

驚きが嬉しさに変わるのを、黙って待ってた。


気づけば琢磨のあいさつが終わり、

歓声があがった。

「お二人には、

キス写真を撮ってきてもらいますので、

こちらへ」

え?

今なんて言った?

キス写真?

「えー!?」

「おわっ

ど、どうしました?」

「キス写真って…」

「お二人の仲を証明するための写真ですよ」

「き、聞いてない…」

「え?

ちゃんと宣伝ポスターに書きましたよ」

「嘘…」

「…写真撮ってくるから、カメラ貸して」

「あ、どうぞ」

「行くぞ、美玲」

「…」

琢磨は、

私の腕を掴んで、

歩き出した。
< 181 / 347 >

この作品をシェア

pagetop