学園アイドルRTD
「で、では、お言葉に甘えて」

「じゃあ、先に図書室に行ってて。俺、琢磨呼んでくるから」

「はーい!
行こ、美玲」

「は、はい」


ガラガラッ

しーん…

「あのさ」

「はい!」

「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ」

「は、はい…」

「どうして、俺を見た瞬間に兄貴の言ってた人だって、分かったの?」

「えっと、先生に特徴教えてもらったんです」

「特徴?」

「はい。
まず、男なのに、女みたいに指先が綺麗」

私は、その人の手をとって見た。

本当に綺麗で、
きめ細かな手だった。

「あと、首にほくろがある」

次は、首を触った。

ビクッ

少し、驚いたようだったけど、手を振り払おうとはしなかった。

「最後に、野球部特有の日焼け」

きっと、いつもアンダーシャツを着ているのだろう、首から下と、首から上の色が、全く違っていた。

「私、野球大好きなので、野球のことなら、どんなに細かくても、見逃しませんよ」

「はは…気に入った。
凄いな、野球大好きなんだ。」

「はい!」
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