学園アイドルRTD
龍太郎side

今日は美玲に、

「一緒に帰ろう」って、

声をかけるつもりだったのに、気付いたら美玲はもういなかった。

だから、
仕方なく1人で帰ろうと歩いていると、

学園名物の桜の木の下で、
杏実さんが立っていた。

「龍太郎君!」


全てのことの発端であるあのデート以来、

2人で会うことも話すこともなかったから、

久しぶりだった。

「どうも」

「今日、漣に告白したの」
「そうなんすか!」

「うん。」

「結果は…?」

「漣の彼女になりました♪」

「良かったっすね!」

「おかげさまでね。


龍太郎君は美玲ちゃんとうまくいってないみたいだね」

「はい…。

でも最近、言葉を交わす回数が増えてきたんすよ!

別れなかったのが、救いでした…。」

「そっか…。

でも、あなたたちだけうまくいって、

ムカついてたから、これぐらいのイジワル許してね」
「え?」

「ううん、何でもない。

今日はその報告にきただけだから」

「はい」

「いろいろ協力してくれて、ありがとね。

きっと、2人でこの困難を乗り越えることができたら、あなた達は、

いいカップルになれるよ。
まぁ、頑張って」

「はい、ありがとうございます」

「じゃ」

「あ、1人で大丈夫ですか?」

「1人?」

「もしかして漣と…?」

その質問に対する答えはなかったけど、

杏実さんは、笑顔を向けて、学園に歩いていった。
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