学園アイドルRTD
智也は、

少しの間何かを考えているかのようにフリーズし、

やがて、モーションに入った。


「!?」

ズドンッ

智也の投げたボールは、

今日の試合、

いや、下手したら今までで1番いい音を響かせて、

キャッチーミットに収まった。

「あいつ…」


その後のあいつのボールは、誰のバットにもかすりもしなかった。


「ナイスピー!」

「ども」

ドンッ

「うわっ」

「お前さ、最初からあのボール投げろよな」

「えへへ」

「ばーか。

ま、俺らがバットで取り返すから、

もう少し点とられても良かったけどね♪」

「え…」


「美玲!」

「はい!」

「勝つから」

「う、うん?」

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