学園アイドルRTD
『美玲!』

え…

私は、驚きのあまり、しばらくの間、フリーズしてしまった。



「おー!

琢磨に大也さんじゃないっすか!

久しぶりっすね」

2人とも、

招待はしていたが、式にも来ていなかったし、

いろいろと忙しいから、

来ないものと考えていた。


「久しぶり、美玲」

「ひ、久しぶり、大也」

「おう。

って、何泣いてんだよ!?」
「だって…ずっと、会いたかっ…た」

ぎゅっ

「泣くなよ〜」

「ちょ、やめて下さいよ、美玲はもう俺の嫁なんすから」

「はは…お前も頑張ったんだな」

「そりぁもう!

野球の練習以上に大変だったんですから!」

「ははは…」

「琢磨も来てくれてありがとね」

「大事な親友の結婚式に、こないわけないだろ」

琢磨は今、大学でバスケをしていて、

2年生ながら、チームのエースとして、活躍している。

「あれ…?」

琢磨の後ろに、

かわいい女の人が立っていた。

「あぁ、

俺の彼女…です」

『えー!?』

私達4人は、

同時に驚いた。

だって、

あんなにバスケ一筋で、恋愛をしようとしなかったのに…。

「初めまして、中沢華乃(かの)って、いいます」


「バスケ部のマネージャーしててさ、

何するにも一生懸命なとこに惚れたんだ。

しかも、

バスケが大好きなんだ」

そう琢磨が紹介すると、

華乃さんは、少し照れながらも、幸せそうに笑った。
「良かったね、琢磨。

お幸せに」

「おう、サンキュー」

「で、大也は?

彼女とかいないの?」

大也は今、

ニューヨークで、自分の店を出すために、

洋服を売るお店で、アルバイトをしている。

「今は、仕事が第一かな。
それに俺はまだ、美玲を諦めたわけじゃないし」

「は!?」

「だから、龍太郎に泣かされて、嫌になったら、いつでも電話してきていいからね」

「あ、あはは…」

「そんなことはあるわけないですよーだ。

だって、俺が一生側にいるって、約束したんですから」

「ま、お幸せに」

「ありがとう」

久しぶりに全員そろったRTDは、

やっぱり周りよりずっと、輝いてて、

昔と変わらず、

目立っていた。

でも、そこにいるRTDは、昔より少しだけ、大人になっていた。

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