学園アイドルRTD

「じゃあ、一緒にやる？」
「いいんか？」

「別にいいよ」

「やる！」

「全く…困った奴だね(笑)」

「しょうがないって」


キーンコーンカーンコーン

放課後

「美玲、先生に呼ばれたから、先行っといて」

「わかった」


この学園の体育館は、
凄く綺麗で、
なんとバスケの試合ができるコートが２つと、
バレーコートが備え付けられているほどの広さがある。

やっぱり、
お金持ち学校だ…。

ダンッ ダンッ

「？」

誰もいないと思ったのに、体育館には、
誰かがいた。

シュッ
パシュッ

シュートされたボールは、綺麗な弧を描いて、
リングに吸い込まれた。

中学生時代、
私が憧れていたフォームが、
憧れていた人が、

そこにいた。

「？
美玲じゃん、どうしたの？」

「体育祭のバスケの練習をしようって、龍太郎と約束したので…。
琢磨さんこそ、どうしたんですか？」

「おぉ！
あいつ呼び捨てで呼ばせてるんだ」

「呼べって言われたので…」

「龍太郎にとって、美玲は特別なんだな」

「え？」

「なんでもないよ。
俺は、自主練だよ。
まだまだ下手だからさ…。」

「下手なんて…レベルが高いんですね」

「うん、半端じゃない。
いつレギュラー降ろされるかわからないし…。
つーか、
龍来るまで、１on１しない？」

「久しぶりなんで、できるかわからないですよ？」

「いーよ、やろ？」

「はい」

「そっちボールからね」

そういって、
１on１が始まった。

シュッ
パシュッ

「うわー
やっぱり凄いですね(笑)」
「何が？」

「中学生のとき、ずっと憧れで、真似しようとまでした人のシュートを間近で見れてるなんて、感激です」
「そんなに凄いかな？」

「はい！凄いです！」

「ははは…
面白いな、美玲は…」

「あれ、琢磨もいたの？」
「邪魔みたいだから、帰るよ」

「あっそ」