学園アイドルRTD
凄い…。

5-5の同点で、
しかも実力もほぼ互角。

「あ、智也だ」

「来てたんか。」

「ねぇ、止めなくていいの?これ」

「あの2人が、決着つくまでやりたい言うたんや」

「…。」

「凄いんやで。
2Aな、野球部龍太郎さんと、蓮さんしかおらんのに、ここまでの試合しとるんやから」

「じゃあ、打球が飛んだら…」

「龍太郎さん、守備範囲広いけど、外野にいったら、負けやな。
でも、外野に安打まだ打たれてないんや」

「え…」

「ピッチャーやないのに、変化球も知っとって、あの大也さんですら打ててない」

その話を聞いた時、
ちょうど大也の打席が回ってきた。

「さすがに、だいぶタイミングは、合ってきとるけどな」

ファールが続いた。


10球目

龍太郎は、
大きく振りかぶって、
力強いストレートを投げた。

バンッ

「ストライクッ
バッターアウト!」

ドタッ

「龍太郎!?」

「アカン!
まだ試合の途中や」

「でも…」

「誰よりも野球を好きな龍太郎さんが、試合を放り出してまで休むと思うか?」

…それもそうだ。
でも、苦しそう。
また熱があるんじゃ…

「大丈夫や、
次の攻撃が終われば、休憩入るみたいやから」

「美玲、なんか集まって練習するって、バスケ」

「…うん、今行く。
智也君、休憩時間に入ったら、龍太郎に体育館に来るように言ってくれない?」
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