遊園地
「くれるの?」

チョリッスがうなずく。

「ありがとう」

金色のどんぐりをそっと受け取る。

やったねっ、と瞬也のほうを見ると、ぽかんとしている。

「……やっぱ、茜を連れてきて正解だった」

くすぐったい気持ちになる。素直に褒められて、しかも久しぶりに茜と呼ばれた。

「そろそろ説明してくれてもいいんじゃないの?」

チョリッスが、近くにあるカフェのテラスを指さした。

あそこなら、ちょっとの間なら何も注文しなくても座らせてもらえそうだ。

「ありがとう。またね。」

次に振り返った時にはもう、チョリッスはほかの子どもたちと写真を撮っていた。

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