遊園地
「アカネ。」
長老魔法使いは私のほうに向き直った。
「トキヤには、どうしても叶えたい願いがあるんだよ。そして、そのために魔法が欲しいと考えた。偶然、この遊園地に来ればその可能性があることを知っていてね。だが、ひとりではだめだと途中で気付いたんだ」
「どうして?瞬也なら……」
昔から探偵ごっこみたいなことは得意だし、捜し物も得意だったのに。
「それはね、魔法とは、複数の人間に対して与えられるものだからだよ。」
「複数……」
つまり二人以上ってことね。
「じゃあ、私たち、魔法を貰えるんですか?」
「そうだ。今はまだ、一つだけ。」
「それって、魔法つかいになれるってこと?」
「そう思いたければ思えばいいし、思いたくなければ思わなくていい。」
「それじゃ、どんな魔法を、くれるの?」
「大抵の問題は、これで解決する。魔法自体は簡単で、使い手の技量に頼らなくてすむ。そういう魔法だよ」
けっこう便利そうだ。
「ほんと!教えて教えて!」
長老はふふんと笑った。
「それでは、ここで一度使ってみるとよいな。」
長老は私にこそこそっと耳打ちをした。
210513-1
長老魔法使いは私のほうに向き直った。
「トキヤには、どうしても叶えたい願いがあるんだよ。そして、そのために魔法が欲しいと考えた。偶然、この遊園地に来ればその可能性があることを知っていてね。だが、ひとりではだめだと途中で気付いたんだ」
「どうして?瞬也なら……」
昔から探偵ごっこみたいなことは得意だし、捜し物も得意だったのに。
「それはね、魔法とは、複数の人間に対して与えられるものだからだよ。」
「複数……」
つまり二人以上ってことね。
「じゃあ、私たち、魔法を貰えるんですか?」
「そうだ。今はまだ、一つだけ。」
「それって、魔法つかいになれるってこと?」
「そう思いたければ思えばいいし、思いたくなければ思わなくていい。」
「それじゃ、どんな魔法を、くれるの?」
「大抵の問題は、これで解決する。魔法自体は簡単で、使い手の技量に頼らなくてすむ。そういう魔法だよ」
けっこう便利そうだ。
「ほんと!教えて教えて!」
長老はふふんと笑った。
「それでは、ここで一度使ってみるとよいな。」
長老は私にこそこそっと耳打ちをした。
210513-1