遊園地
目の前に、長老魔法使いがいた。
目の前に、瞬也がいた。
「アカネの願いは7つ。トキヤの願いは3つ。」
長老は歌うようにいった。
「二人合わせて、合計10の願いがあると言いたいところだが……。
実は、二人あわせて、7つだ。」
重複があるという。つまり、私の中で三つは瞬也の願いと重なっているというわけだ。
「ひとつはもう、わかっているだろう?」
いま、自分たちが見たものを。そこから何を得たか。
私の願いのひとつ。それは、
『瞬也と仲直りしたい』
ケンカしたわけじゃないから、どうにもできなかった。
でも、向こうだって、声かけようとしてためらったり、そういうことを、してたんだと思うと。
ああ、大丈夫だー、ってね。
昔から、瞬也の気持ちはよくわかった。
最近、わからなくなってた。
でもまた、感じるようになった。
私たちは、よく似てる。
私のほうが欲張りで、瞬也のほうが秘密があって、
それでもやっぱり、似てると思うから。
瞬也が手を差し出した。
私たちは、ハイタッチをした。
「これで、アカネの願いは6つ、トキヤの願いはあと2つだな。」
長老たちの声が、私たちを見送っていた。
210516-1
目の前に、瞬也がいた。
「アカネの願いは7つ。トキヤの願いは3つ。」
長老は歌うようにいった。
「二人合わせて、合計10の願いがあると言いたいところだが……。
実は、二人あわせて、7つだ。」
重複があるという。つまり、私の中で三つは瞬也の願いと重なっているというわけだ。
「ひとつはもう、わかっているだろう?」
いま、自分たちが見たものを。そこから何を得たか。
私の願いのひとつ。それは、
『瞬也と仲直りしたい』
ケンカしたわけじゃないから、どうにもできなかった。
でも、向こうだって、声かけようとしてためらったり、そういうことを、してたんだと思うと。
ああ、大丈夫だー、ってね。
昔から、瞬也の気持ちはよくわかった。
最近、わからなくなってた。
でもまた、感じるようになった。
私たちは、よく似てる。
私のほうが欲張りで、瞬也のほうが秘密があって、
それでもやっぱり、似てると思うから。
瞬也が手を差し出した。
私たちは、ハイタッチをした。
「これで、アカネの願いは6つ、トキヤの願いはあと2つだな。」
長老たちの声が、私たちを見送っていた。
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