ホストの居る公園のあ・た・し
「僕、本当に口が下手で、
それでもどうにかホストをやっているんですけど」



とそう言いながら、男の子はあたしの落とした本を拾って手渡す。




「営業はお客様の心をつかむ仕事だ、
と聞いたから、じゃあ大学も卒業したし、
思い切って昼間は、営業をやりながら、
お客様の心をつかむ勉強をしようかと」

「はぁ…」



あたしは、もう同じ言葉を繰り返すのも、悔しくなってきたので、



「で、あなたはどうやってあたしの心をつかむのよ」




と男の子に挑戦的に言葉を投げかけてみた。
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