ホストの居る公園のあ・た・し
「いや、二冊も要らないんですけど…」

「いいから受け取っておきなさいよ。保存用、保存用!」




自分で読み古した本に保存用も無いだろう、

と思いながらも強引に男の子に受け取らせて

あたしは公園のベンチから立ち上がった。




「あたし、そろそろ会社に戻らないといけないから、また、ね」




思い描いてたあたしの今日のランチタイムとは、全く違う展開に、

なぜだか、この男の子とは会うことはもう無いだろうと感じてしまっていた。




なので、昨日みたく、次の約束をするわけでもなく、

あたしは「またね」とだけ言って公園を出ていこうとしていた。
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