orders!
「和馬くん、指輪してなかったね」
「別れたんだよ、やっぱり。彼女超うるさいって言ってたし」
「…、」
私もお店へ入ろうかと迷ったものの、すぐさま聞こえてきた女性たちの話に思わず耳を傾ける。
「客と話してるだけでキーキー言うんでしょ?束縛?ウザいよねぇ」
「見たことあるけど顔も普通だしさぁ」
それはやはり、和馬の彼女である私に対しての愚痴。
悪かったな普通で!ていうか別れてないし!
好き放題言う彼女たちに、反論の言葉をぐっと飲み込む。