orders!
menu4.ホットココア

1.




「いらっしゃいませ」

「お願いしまーす、ドリアひとつー」





日曜の昼下がり、がやがやと混雑するランチタイム。

キッチンは、修羅場だ。



「大地!向こうでソース作れ!」

「先にこっちの盛り付け!」

「いや、まだこっちの作業が…」

「先にソース作りだ!」

「いーや!先に盛り付けだ!」

「……」



きゃいきゃいと明るい声の響くホールと打って変わって、狭いキッチンでは体育会系の堂上さんと店長に挟まれる俺の姿があった。



「…和馬さん、手伝って貰っていいっすか」

「はいはい、いいよー」



どちらも譲らぬ二人に、仕方なく近くにいた先輩・和馬さんに助けを求め俺はまた作業へと戻る。


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