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menu1.ストロベリータルト
1.
ある晴れた日。
駆け込んだお店のドアを開けると、そこには愛しい彼の姿。
「洸ちゃん!来たよーっ」
「……」
白いシャツと黒のダブリエに包まれた小柄な体、黒い髪に冷たい瞳。そんな彼はジロリとこちらを見る。
「……また来たのかよ。暇人」
「暇じゃないもん!忙しいけどこうして仕事の合間に来てるの!」
「来なくていいし。うざい」
「うざいって何!ひどい!」
冷たい態度をする洸ちゃんに頬を膨らませると、奥からやってくるのは茶髪の細身の男性・ハルさん。
「洸くん、お客さんにそんな言い方しないの。茜ちゃん、向こうの席どうぞ」
「ハルさん…!」
洸ちゃんとはまるで真逆の優しい笑顔を見せるハルさんは、お店にやって来た私と職場の友人・花ちゃんを丁寧に席へ案内した。