orders!
「おい、茜……」
「っ……」
こちらへ手を伸ばしかけた洸ちゃんから逃げるように、私はスタッフルームを飛び出しお店を後にした。
「……」
「あれ!?今茜ちゃん帰っちゃった!?」
「……何か、飛び出して行きましたけど」
「まだ話の途中だったんだけどなー……」
「……」
洸ちゃんのこと、何も知らないのは私だった。
何も分かってなかった。
ごめんね、洸ちゃん。
もう迷惑をかけないから、邪魔もしないしお店にも行かないから。
だからこれ以上、嫌いにならないで。
好きじゃなくてもいいから
嫌いに、ならないで。