orders!



「…あ、堂上さん。すみません、ヒーターつけてもらっちゃって…」



そして振り向きかけた彼女に、俺は後ろから思い切りその体を抱き締めた。



「っ…」

「…、…」



腕の中に収まってしまう体。

じわ…と伝う雨水と、かすかに漂う石鹸の匂い。



「…堂上、さん…?」

「…ごめん、いきなり」

「あの…」

「けど、離せない」

「……」



いきなり何をしているんだと、自分でも思う。

けどその姿に込み上げる、言いようのない愛しさは止まらない。止められない。


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