orders!
あの日、事を終えた俺と橋本さんの間には微妙な空気が流れて
『……』
『…あ、そろそろ営業所、戻らないと』
『あ…あぁ、』
『タオル、ありがとうございました。洗って返します』
『いい。こっちで洗うから』
『いえ、これくらいは…』
『いいって、』
そうタオルを取り合い見つめあった顔。その距離に、またキスをした。
そして彼女は帰って行った訳だけれど、以来彼女は配達で来ても目を合わせることもなく…まるであの日のことなど、なかったかのように。