ストロベリーショートケーキ
「……先生」
と、そこでお店の奥の方から、花井くんが姿を現した。
彼はさっきまでの着崩したブレザーとは変わり、店長さんと同じ、白いコック服を着ていて。
いきなりのそのギャップに、あたしは思わず、まじまじと彼を見上げてしまう。
「おー要くん、せっかくお連れの女の子がいるのにお店の手伝いしてくれちゃっていいの?」
「……ここにいるときは、ちゃんとした格好でいたいから。それより先生、佐倉になんか余計なこと言ってないよな?」
「余計なことってなに、例えば『イチゴショートの話』とか?」
笑い混じりに店長さんがそう言った瞬間、花井くんの目が確かな圧力をのせて鋭くなった。
その表情はあたしが、思わず身をすくめてしまうような威力を持っていたけれど……店長さんはまるで堪えていない様子で、「おー最近の若者はこわいこわい」なんて言っている。
「ほらほら、無駄口叩いてる暇あったらさっさとお客様のオーダー持ってきなさい」
「………」
そんなせりふとともに店長さんにヒラヒラと片手を振られ、花井くんはおとなしく奥の方へと下がっていった。
……ただその顔には、普段の無表情に加えて若干の不機嫌さが表れていたけれど。
と、そこでお店の奥の方から、花井くんが姿を現した。
彼はさっきまでの着崩したブレザーとは変わり、店長さんと同じ、白いコック服を着ていて。
いきなりのそのギャップに、あたしは思わず、まじまじと彼を見上げてしまう。
「おー要くん、せっかくお連れの女の子がいるのにお店の手伝いしてくれちゃっていいの?」
「……ここにいるときは、ちゃんとした格好でいたいから。それより先生、佐倉になんか余計なこと言ってないよな?」
「余計なことってなに、例えば『イチゴショートの話』とか?」
笑い混じりに店長さんがそう言った瞬間、花井くんの目が確かな圧力をのせて鋭くなった。
その表情はあたしが、思わず身をすくめてしまうような威力を持っていたけれど……店長さんはまるで堪えていない様子で、「おー最近の若者はこわいこわい」なんて言っている。
「ほらほら、無駄口叩いてる暇あったらさっさとお客様のオーダー持ってきなさい」
「………」
そんなせりふとともに店長さんにヒラヒラと片手を振られ、花井くんはおとなしく奥の方へと下がっていった。
……ただその顔には、普段の無表情に加えて若干の不機嫌さが表れていたけれど。