愛してるって言って
「ちょっと、夕!!!」
引き留めようとしたが、遅かったようだ。
私は追いかけるのを諦めてしまった。
それより、遥汰に会えたことが嬉しくて、
私はまた遥汰に抱きついた。
「遥汰……」
「琉里華……また会えたな。」
私は遥汰に聞いた。
「どうして、彼氏だなんて嘘、ついたの?」
すると遥汰は微笑みながら言った。
「俺は……琉里華の彼氏になれたらなって思ってたから……」
そんな言葉に驚いた私だったが、
その言葉の意味に私はすぐに喜んだ。
「私ね、あの日から遥汰が忘れられなくて。
……私ね、遥汰が好きだよ。」
そう言うと、遥汰は照れくさそうに笑った。
「俺も琉里華が好きだよ。
……もう誰も見ないで。」
「え???」
「俺だけを、見て。」
あの日と同じ言葉に、私は遥汰を見つめた。
まっすぐに私を見る目に吸い込まれそうになる。
私はやっと、その言葉の意味を理解したのだった。