愛してるって言って



「瑠里華……帰ろ???」


夕がそう言って歩き出した。

私は慌てて後ろを追いかけた。



2人で出口に向かうと

そこには…………


「遥汰……」



遥汰がいた。




しばらく動けずにいた私に気づいた夕は
私の視線の先を見て驚いた顔をした。


それから振り向いて言った。




「瑠里華……行こ。」




夕に手を引かれて再び歩き出した私は
すれ違いざまに遥汰と目があった。


一瞬驚いた顔をしてから
またあの悲しげな目をした。


私が目を逸らした時

聞こえてしまった。






「ごめんな」






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