愛してるって言って
その言葉を聞いた瞬間
衝動的に夕の手を振り払って
私は走り出していた。
「遥汰ッ……」
後ろから遥汰を抱き締めると
「瑠里華……」
そうポツリと私の名前を呟いた。
その悲しげな声色に私は涙を堪えながら言った。
「……好きなの……ッ」
「……」
「やっぱり私……ッ……遥汰が……好…」
そこまで私が言うと、
遥汰はくるりと回って私の事を抱き締めた。
「……んでだよ……ッ」
「……ぇ?」
「なんでこんな最悪な奴なのに好きなんだよッ」
その声は涙を堪えているようにも聞こえた。
「俺だって……瑠里華が好きだよ……」
「遥汰…………」