愛してるって言って



ベンチに腰掛けると
遥汰はあの時消えた理由を話し始めた。



「俺、最悪な奴なんだ。」

それから
今まで何度もナンパを繰り返していたこと。
ホテルに連れ込んだ事もあるということ。
それでも瑠里華は他とは違ったこと。

今までのことを全て話してくれた。



「俺、怖かったんだ。瑠里華を傷付けるんじゃないかと思って。」



「傷付ける……???」



「どんどん好きになっていって……
それと同時に俺なんかと一緒にいたらダメだと思った。
瑠里華にはもっといい人がいるって。
それで俺、消えたんだ。」



遥汰が消えた理由が私を思っての事だと聞いて
私は涙が溢れた。




「でも、忘れられなかった。
…………俺、やっぱり瑠里華が好きなんだよ……」



そう言うと遥汰は私を抱き寄せた。




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