TABOO~それぞれの秘密~

語尾が上がって震えているのは、本心を言っている時。

「今は先生と生徒じゃないから、引き離されても取り戻す。誰にも渡さない」

抱きしめる手が私の肌を這い始めて、あの頃の熱を感じて自然に寄り添っていく。

そして、鳴り続ける電話の向こう側の男の顔がぼやけていく。


「お願い。彼に、私は渡さないって言って……」


fin
< 10 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop