TABOO~それぞれの秘密~

『次は、俺の籍に入れてやる』

離婚成立直後の彼の言葉の有効期限はあと一時間

再婚ができるまでの半年間よく考えろ、と言いながら私を抱いて

今では彼の体温なしでは眠れない

それでも大学時代のように、綺麗な女の子に囲まれている姿を見ると不安は隠せない

近くにいるのに不安が押し寄せる

もう傷つきたくないと、涙をこらえた

しばらくして、気づけば

「この後、役所に届けを出しに行くぞ。藍の苗字が変わるのはこれで最後だ」

強気な言葉と共に私の左手が掴まれて、キラリ輝くダイヤ

「大学時代から好きなのはお前だ。安心して俺に幸せにしてもらえ」

意地悪な顔が近づき、囃し立てる声が遠くなって触れた唇

まるでそれは永遠を誓うキスのようだった


fin

< 15 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop