TABOO~それぞれの秘密~
『次は、俺の籍に入れてやる』
離婚成立直後の彼の言葉の有効期限はあと一時間
再婚ができるまでの半年間よく考えろ、と言いながら私を抱いて
今では彼の体温なしでは眠れない
それでも大学時代のように、綺麗な女の子に囲まれている姿を見ると不安は隠せない
近くにいるのに不安が押し寄せる
もう傷つきたくないと、涙をこらえた
しばらくして、気づけば
「この後、役所に届けを出しに行くぞ。藍の苗字が変わるのはこれで最後だ」
強気な言葉と共に私の左手が掴まれて、キラリ輝くダイヤ
「大学時代から好きなのはお前だ。安心して俺に幸せにしてもらえ」
意地悪な顔が近づき、囃し立てる声が遠くなって触れた唇
まるでそれは永遠を誓うキスのようだった
fin