TABOO~それぞれの秘密~
その後、熱気を冷まそうと部屋を出ると。
「必死で我慢してるくせに」
その甘い声を期待していた自分を否定しながら振り向くと。
長身の体が私を包み込む。
「ちょっとやめてよ」
「寂しくて崩れそうなくせに、そうやって我慢して泣くのか?」
「泣かないし、我慢してないし」
身動きがとれない私の耳元に落とされる誘惑に満ちた声。
「俺と離れていた時も我慢して無理して。今の彼氏に逃げたのか?」
「ち、違う」
「俺が転勤して、寂しくて逃げたんだろ?でも、今の彼氏とも遠距離になって同じように我慢してるなんてな」