TABOO~それぞれの秘密~
彼の強い視線に射られ、見つめ返す私の瞳に納得したのか。
「年末、お揃いの指輪をはめてホノルルを走ろうぜ」
私の肩に頭をのせて息を吐く春さん。
「私が彼とちゃんと話してから……、ホノルルのガイドブックを買ってきます」
距離があるとはいえ、まだ彼氏とは別れていない。
春さんにどう答えていいのかもわからない。
けれど、気持ちは既に12月のホノルルの空の下。
……お揃いの指輪で走り抜ける。
fin