TABOO~それぞれの秘密~

「あの時優太は学生で、仕事を始めた私と揉めたから」

「今は社会人同士、年下の恋人でもいいって?」

大学時代の恋人優太とは、私の就職後すれ違いが続き別れた

社会人と学生の距離が苦しくて私から告げたさよなら

「嫌いになったわけじゃないの」

言い訳が通じるとは思わない

「あの時は仕事を覚えるのに必死で、優太は就活で忙しかったし」

そんな理由も、当時は大きく重いものだった

「今なら乗り越えられるけど……子供だった」

「大人の今は、年下でもいいってことか?」

「ち、ちがっ」

「里香の今の恋人、俺の一つ下。今なら後輩でもいいんだ?」

低くなった声は苦しげで、優太がまだ私との別れを乗り越えていないとわかる

そして、それを喜んでいる私に気づく

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