TABOO~それぞれの秘密~

都会で覚えた曖昧な笑顔で過ごした数時間。

ようやく高校の同窓会が終了し、私は朔の部屋へ連れていかれた。

鞄から聞こえるスマホの着信音に構う事なく朔に抱きしめられて。

「ここに帰ってきたってことは、俺のもんになるってことだろ?」

「わかんない。迷ってる」

「その迷いの理由は、あの音か?」

部屋に響いている着信音。彼氏からの音だと、朔にもわかったようだ。

「いい人なの。朔よりも若いし、私を愛してるしお医者さん」

「そうか。でも、高校の時からずっと愛してるのは俺だ」

「あの時引き離されて、迎えに来てくれなかったくせに」

「……卒業して、5年経って気持ちが変わらなければ許すってお前の親に言われたんだよ」
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