竜の唄

「お前なあ! 並べと言われただろう! お前の耳は節穴か!? 飾りなのか!?」

「す、すみません!」

「大体、いつまでお喋りしているつもりだ!! 一番前が来なきゃはじまらないだろう!!」

「すみませ …ん? 一番前??」

「そうだ、一番前! …紙も見ていないのか!?」



怒涛の勢いでまくしたてる副学部長にまるで小動物かのように引きずられながら、イアンは慌てて配られた紙に目をやった。

するとなるほど、確かに先頭に自分の名前があるではないか。



「いっちゃん前! すげえなんかかっこいいっすね!」

「ただの都合上だ、馬鹿者」


ほら、と雑に投げ出され、イアンはやっと微妙に首が締まりなおかつまぬけな体勢から解放された。

ふいー、おっそろしいぜ、と一人ごちながら、制服を払い目の前にある檀上を見上げる。

そこには頬杖をつきながら、ニヤニヤとイアンを見下ろすリアスがいた。



「先生、あやしいぞ」

「お前はやっぱり、馬鹿だよなあ~」


あー面白かった、というこの男、本当に学部長なのだろうか。

レレノアの気苦労が知れるというものだ。

そのリアスは姿勢を正し拡張期を再び手に取ると、ホールにいる全生徒に向けて声を発した。





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