初恋はユーレイ君と!?
━━━やっぱり…俺じゃ、ダメですか?
風が、拓也くんの髪を美しくなびかせた。
「…………………拓也くん、」
「………分かってたよ、最初から…。
それでもよかった…………。」
「……………え?」
「でももう無理だよ…………、」
拓也くんが、あたしを見つめた。
悲しそうな目で………。
「…………結香ちゃん、兄貴が好きなんだろ?」
「…………………え、」
「分かってるよ?俺なんかより兄貴の方が出来がいいってことは…………。
でも……………どうして……………。
兄貴は死んでるんだよ?
俺が今の兄貴に勝てるところは………
唯一勝てるところは……………」
拓也くんの声が、震える。
「━━━━━……結香ちゃんをこの手で守れることだったんだ……………。
俺は、兄貴より結香ちゃんのこと幸せにできる。
……………でもね………
俺だけがそんなこと言っても、
結香ちゃんが幸せじゃなかったら、
どんなに頑張っても無駄なんだって………
気づいたんだ……………。」