初恋はユーレイ君と!?
………………さっきまで楽しかったのが嘘のように………
あたしたちの間に流れる空気は重かった。
車の騒音が、耳に入る。
「………………俺じゃ頼りないかな?
どこを直せば好きになってくれるのかな?
…………こうかな、ああかな。………
…………考えたけど分かんなかった………。
ああ、…………俺一生、結香ちゃんに好かれることはないんだな、
…………兄貴に勝てる瞬間は訪れないんだな……………。
そればっかり、頭の中をグルグルしてるんだ…………。」
「………頼りないわけない。
いつも拓也くんは、守ってくれたし……。
本当に感謝してるの…………。」
これは、本当の気持ちだよ、拓也くん。
━━━━━拓也くんは、ふふっ。笑った。
「…………今まで、無理させてごめんね?
結香ちゃんには、本当に好きな人と幸せになってほしい。
……………っていうのはきれいごとだけど…………。
結香ちゃんの好きな人が俺じゃない分、
もっと強くて、兄貴みたいな人と、
幸せになってほしい……………。」
「…………………拓也くん……、」
拓也くんが、あたしに近づいて、
向かい合った。