初恋はユーレイ君と!?
それともあたしは拓也くんを…………。
どうなんだろう………。
否定も肯定もできないのは………。
『………………どうして?』
「う~ん………フラれた?」
『フったのか!?お前なんてことを!』
「だから“フラれた”の!」
『お前一体何考え………………え?』
「フラれたのよ、あたしが。」
もう!何回“フラれた”って言わなきゃいけないの!?
結構胸痛いんだけど。
『……フラれたって………拓也がフったのか?』
「だからそうだって言ってるでしょ!」
『………………そっか……。』
……………………ん?
真斗が…………怒らない?
『拓也にしろよ!』って、怒鳴らない?
ん?なんだこの違和感。
「……怒んないのね。」
『………………怒る理由がないよ。
お前を責めたって拓也を責めたって、
何にもなんねーだろ?』
それもそうか……………。
『でもぉ………もしも俺が生きてたら、
拓也を殴りたかったけどな。』
真斗が、へへっと笑った。
「どうして?」
『あいつは逃げたんだ。ろくに戦いもしないで。
…………でも責められはできないよ。
俺も拓也だったら、そんな風にしてるだろうし。』
だから殴るだけにしとく!っと真斗は付け足して笑う。
『……………俺も早く逃げ出したい。』
「え?」
逃げ出したいって………この家から?
この世から?
『俺、いつからこんな曖昧な人間になっちゃったんだろう………。』