初恋はユーレイ君と!?







それともあたしは拓也くんを…………。





どうなんだろう………。





否定も肯定もできないのは………。





『………………どうして?』






「う~ん………フラれた?」






『フったのか!?お前なんてことを!』





「だから“フラれた”の!」






『お前一体何考え………………え?』





「フラれたのよ、あたしが。」






もう!何回“フラれた”って言わなきゃいけないの!?




結構胸痛いんだけど。






『……フラれたって………拓也がフったのか?』





「だからそうだって言ってるでしょ!」





『………………そっか……。』






……………………ん?






真斗が…………怒らない?






『拓也にしろよ!』って、怒鳴らない?






ん?なんだこの違和感。






「……怒んないのね。」





『………………怒る理由がないよ。


お前を責めたって拓也を責めたって、


何にもなんねーだろ?』







それもそうか……………。






『でもぉ………もしも俺が生きてたら、


拓也を殴りたかったけどな。』






真斗が、へへっと笑った。







「どうして?」






『あいつは逃げたんだ。ろくに戦いもしないで。


…………でも責められはできないよ。

俺も拓也だったら、そんな風にしてるだろうし。』






だから殴るだけにしとく!っと真斗は付け足して笑う。







『……………俺も早く逃げ出したい。』






「え?」






逃げ出したいって………この家から?



この世から?






『俺、いつからこんな曖昧な人間になっちゃったんだろう………。』







< 120 / 172 >

この作品をシェア

pagetop