初恋はユーレイ君と!?
「………兄貴、どうなった?」
「……………………………」
拓也くん……鋭いよ………。
「……………………成仏したよ……」
「……………そっか……………。
あの時…………………
結香ちゃんが男に襲われたとき……、
そのことを教えてくれたのは、兄貴だったんだ。」
「え?」
「結香を助けろ!って、兄貴の声が聞こえたんだ。」
「……………そうだったんだ………」
「……それに、俺が刺されて、意識が戻るまで、頭ん中で兄貴が言ってんの。
“死んだら許さねーぞ!”“生きろ!”
って。だから今、俺はここにいる。」
真斗……………、
「だから、兄貴はどうしてんのかなって…………気になって………。
そっか………天国いったんだな……」
「……すぐこっちに来たら許さねーって言ってたよ、真斗。」
「フハッ!よかった、いかなくて」
拓也くんが笑う。
あたしも、やっと笑えた。
真斗のことは、素敵な過去として、この胸に刻もう。
「………結香ちゃん、泣いてもいいよ?」
「……ううん。なぜか今は、辛くないの。」
本当だよ。
なんだか、幸せなの。
「……………あたし、拓也くんが好き。」
「え?」
真斗、あたし、気づいたよ。
「大好きです!」
あたしは、拓也くんが大好きだって。
真斗は、大好きだった。って。
「…………いきなりだから、嘘っぽく聞こえるかもしれないけど、
あたしの本当の気持ちなの。」