初恋はユーレイ君と!?
『…霊感ある人この指と~まれ!はい!
って俺は見られる方だっつーの!』
自分で自分の人差し指をつかみ、
一人突っ込みしているバカ。
…………こいつ、明るいな~…。
若干………いや、相当うるさい。
あたしはなるべく、うるさいユーレイの方を見ないようにしている。
まあ、見たらバレるしね。“見える”って。
声や体型は、若そうだけど、
まあ、そんなに気にしない。
でも、これが一週間も続くと、さすがにストレスがたまってきた。
大きなため息をつく。
『あれれ?悩み事かい?じゃぁ俺が聞いてやるよ!
って、聞こえてないか~!』
「………聞こえてるよ。」
『………………え?』
横にいるユーレイは、さらにあたしに詰め寄った。
『きっ、聞こえるの!?俺の声が?』
「えぇ、はっきりと!」
あたしは初めて、ユーレイ君に目を向けた。
奴が、思った以上に近かったから、あたしは少しだけ顔を下げた。