初恋はユーレイ君と!?
「………………拓也くんじゃ…………ないのよ………。」
あ、
あたしは泣いてる。
いつの間にか………泣いてる。
『………………拓也にしろ。』
「………強制される必要なんてない!
あたしが好きなのは拓也くんじゃない!
今からでも好きになるはずだったのに………
真斗を好きになっちゃったから!
だからどうしたってダメなの!!
あたしは真斗が━━━」
ざっ………
立ち上がった真斗の腕が、あたしを抱きしめるように
横から動いてきて、綺麗な弧を描いた。
しかし、
あたしの胴体には触れない。
ざっ…と、
あたしの体をすり抜けたから。
真斗はユーレイだ。
……………物には、触れない。
今の真斗の行動は、
まるであたしにその現実を思い知らさせるようで。
真斗の体は、
あたしに触れない。