初恋はユーレイ君と!?
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☆カレンside★
3年前……………。
春がきた。
去年とは違う、春が。
隣に、大好きな人がいてくれる、高校二年生の春が。
桜が舞う、通学路。
「おーはよ!」
後ろから、あたしの頭に手を置きながら声を出した、一人の男の子。
あたしより何十センチと高い身長からの声は、降ってくるようだ。
「あ、おはよ!」
彼は、クシャッと笑ってあたしの隣についた。
彼の気遣いか、それとも無意識か。わからないが、いつも彼は車道側を歩く。
あたしはいつも、歩道側。
これが、あたしたちの定位置だった。
「ついに今日は二年生やなぁ!」
「だねぇ!クラス一緒がいいな」
「あんま期待すんなよ?お前そういう時はいつもハズレっから。」
ケラケラ笑う彼………………真斗。
「………まあ、一緒がいいな。」
いきなり儚い表情を見せる、真斗。
あたしは彼のこの横顔が好きだ。
どこか切ない、綺麗な横顔。
「………まーくん、」
「はーい?」
「………………本当、一緒がいいな…」
真斗は、クシャッと笑ってあたしの頭を撫でた。
「いつでもこやって2人になれるんだから、クラスなんて違っても大丈夫だよ!」
こんな弱い自分を受け入れてくれたのは、
彼だけだった。