初恋はユーレイ君と!?
━━━━━━━━拓也くんと2人、道路を歩く。
カレンさんと別れて、拓也くんがあたしを家まで送ってくれている。
「………………結香ちゃん、兄貴のこと見えるの?」
「…………………………うん。」
「あのアパートに………いるの?」
「………いるよ。毎日毎日、あたしの生活の邪魔ばっかり………。」
「ふふ…………兄貴は死んでからもそんなことしてんのかよ………。バカだなぁ(笑)」
「………相当バカだよ。拓也くんのことも心配してた。」
あたしは笑顔を作った。
「前からだんな~。兄貴は他人の心配ばっかで、いつでも自分を犠牲にしてた。
バカやって、それを人に見せたりはしなかったけど…………。
でも……………死んでまで自分を犠牲にしなくたってよかったのになぁ………。」
「……………………………」
「あっ、いや、だからって別に、カレンさんが危険な目に遭えばよかったって思ってるわけじゃないよ?」
「…………うん、分かってる…………。
複雑な気持ちは、あたしも同じだから………」