初恋はユーレイ君と!?






「……………何でだろうなぁ……見えないのに…………

そこにいるのは分かるんだ…………。


聞こえないのに……何言ってるのか分かるんだ…。」






あたしは、黙った。





「………………何で死んじゃったんだよ……」






『………………拓也、』





「………………どうして………?

そこまでして…………死ぬことねぇんじゃねぇの?」






『…………拓也も、俺と同じ立場だったら………そうしてただろ……?』





「…………どうだろうな…………その状況になんねーと分からない…………。」






『………………俺は後悔してねぇよ?』




「………………何でそんなこと言ってんだよ。急に死んだのに後悔がないわけないだろ!」




『………………ないよ、本当に。

……………カレンは無事だったし、


拓也は高校に入って硬派になったし……』






「だったら何でここにいんだよ。

…………何か……やり残したことがあるんだろ?」





『……………母さんはどうしてる?』





「……………元気にしてるよ。」





『……………父さんは?』





「……………………………………」






真斗の問いかけに、拓也くんは黙り込んだ。





様子がどこかおかしい。






真斗が、一歩だけ拓也くんに近づいた。
























「………父さんは、死んだよ………」











「『え?』」






あたしと真斗の声が重なった━━━━。










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