初恋はユーレイ君と!?







真斗の顔が、涙と共に引きつった。





拓也くんは、俯いたまま口を開く。





「………………優秀な兄貴が死んで…

出来の悪い俺が残された…………。


引っ越しして………兄貴と過ごしたこの家を離れた………。


俺は、どうにかして兄貴みたいになりたくて………


必死に必死に……兄貴を演じた……。」











真斗の体が、震え出す。









「……………だけど、兄貴にはなれなくて………。


父さんはショック死したんだ………。


取り残された母さんは、今の父さんと再婚した………。


俺は…………兄貴とは違う他人になったんだ………。



西條から………安室に…………。」









だから…………拓也くんと真斗の苗字が違うんだ………。







「……………兄貴はどうして………

俺らを見に来なかったんだ…………?」







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