太陽の裏で。
タイトル未編集
入学式を終えて、
俺達は教室に行って、
ドアを、開けた。

そこには、


誰もいないはずの教室で

本を読んでいる君がいた。


＊＊＊


先生が話を始めて、ありきたりな話をした後、
お決まりの流れのように自己紹介となった。

出席番号がいつも1番である俺は名前と出身校を言って腰を下ろした。

折れのあとに6人ほど自己紹介をして、


君の番。

「神崎雪です」

とても綺麗な声だった。


「私は、ある病気を患っていて、出来ない事がたくさんあります。
　なるべく皆に迷惑を掛けないようにするのでよろしくお願いします。」


その言葉は、教室のざわつきを消した。
そして、俺の心に『何か』を生まれさせた。

着々と自己紹介が進んでいったが、大して興味を持てなかった。


君だけが気になりすぎて。


＊＊＊


解散が言い渡された。
でも君は、静かに本を読んでいるだけだった。


ふと

なんの考えがあったわけでもないけど、
俺は、君に、


声をかけていた。


「帰らないの？」

君は、すこし驚いた風に、
でも、答えてくれた。


「病気の影響で、日光を浴びたらダメなの」

俺たちの関係は、
そんな会話から始まった。
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