中距離恋愛
「俺が出す」
「え、でも…」
「どーせおまえ、金ねえだろ」
「うっ…」
「安心しろ。コーラの分も含めて後日請求するから」
「下衆か!!」
なんて悪態をついたけど、
真都なりの優しさだってわかってた。
わかってたからこそ、ドキドキする自分が嫌だ。
「おー、結構暗いな」
「もう秋だもんねー。…あっ!ねえ真都、今度さ、
売れ残りで安くなった花火買い占めて川で遊ぼうよ」
「え、何それ超いいな。秦と眞﨑も巻き込もう」
ほら、これこれ。
これがあたし達の、正しい距離感のはず。