中距離恋愛



チャイムの音で、ぞろぞろと体育館から出て行く。


「直、お疲れ!」

「わ、ありがと~!!」


さすが女子力の高い礼奈、差し入れにタオルを持ってきてくれた。


「大活躍だったね!さすが直っ」

「ふふん、バスケは得意だからね!」

「バスケだけじゃないじゃん!あたしは運動苦手だから羨ましいよお」

「いやー、でもあたしは礼奈が得意な事できないしさ」


人間は結局無い物ねだりな生き物だ、うん。


「…真都くんも、すっかりいつも通りだね」

「うん。やっぱりこのままのあたしがいいみたい」

「かわいかったんだけどなあ…ざんねーん」

「ははっ!真都が居ない所でならまたしようかな」


意識して欲しいなんて考えちゃったからだめなんだ。

あたしはこのままで、"友達"でいい。



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