中距離恋愛
「よーし、始めるぞー。解き終わった奴から帰っていいからなー」
先生の言葉で、「やったー!」という声がちらほら聞こえる。
少し早く帰れるかもって期待したけど、
「ゆっくり落ち着いて解け」っていう秦の言葉通りにしたら、
割と時間は余らなくて。
結局、時間をいっぱいいっぱいに使ったのは、あたしと真都だけだった。
「終わったねー!」
「つっかれた~…」
「ははっ! 秦と礼奈が待ってるし、行こうか」
「おー」
テスト自体はかなりできたと思う。
さすがに試験中は自分の問題解くのでいっぱいいっぱいで、
真都の様子までは伺えなかった。
「どうだった?」
「…運次第」
「それ試験前も言ってたよ…」
「うるせーな! やれるだけはやったよ!」